これからレーシングシミュレーターを始めようと思っている方を対象に、「どういう情報が必要でどういう機器が必要なの??」を解説しています。
- 【情報】まずどのレースシミュレーターを一番やりたいのか(第1回)
- 【情報】レースシミュレーターを動作させる為の要件性能を満たしたPCを所持しているかどうか、検討しているかどうか(第1回)
- 【機器】レースシミュレーターを動作させる為のPC選び/購入やPCカスタマイズのコツ(第2回)
- 【情報】Windowsやその他必要なソフトウェア知識とインストール(第3回)
- 【機器】PCモニター、ステアリングとペダル本体の選定と購入(第3回?、4回?)
第1回目のおさらい
第1回目は、
- 【情報】まずどのレースシミュレーターを一番やりたいのか(第1回)
- 【情報】レースシミュレーターを動作させる為の要件性能を満たしたPCを所持しているかどうか、検討しているかどうか(第1回)
を解説しました!
1回目のまとめは、
- まず、自分がどのシミュレーターを一番したいのか
- 他にもやりたいシミュレーターはあるか
- やりたいシミュレーターを推奨PC要件の高い物から逆算して見る
でした!覚えていますでしょうか??
第2回目では、実際に「じゃあ、どういうPCやパーツが必要なのか」を具体的に解説していきたいと思います!
第2回コンテンツから見始めた方は、第1回目を見た上でこのコンテンツを見る事をオススメします!

3.レースシミュレーターを動作させる為のPC選び/購入やPCカスタマイズのコツ
第1回で解説しました、以下のユーザーが居るという設定で解説を進めます!
「Assetto Corsaで最初に遊びたいけど、後からAssetto Corsa Competizioneも遊んでみたい!」
※モニターは1枚構成で27インチ(フルHD)で想定
まず、「PCゲーム / シミュレーターを動作させる為に性能を満たす」というのは重要な部分ですが、同じく「安定して動作させる」という部分も重要になります。
これは、BTO PCや自作PC関係無くどちらも重要になります。
サクッと最低限、どういう事なのかを以下に記載したいと思います!
まず、PCゲーム / シミュレーターを安定動作させる上で特に重要になるPCパーツは以下になります。
- CPU
- グラフィックカード
- メモリ
- 電源
- 冷却
おさらいとして「Assetto Corsa」と「Assetto Corsa Competizione」のスペック要件を以下に掲載します!
上記でも記載しています「やりたいシミュレーターを推奨PC要件の高い物から逆算して見る」を基準として進めます!
Assetto Corsaを動作させる為に必要なPC性能
Assetto Corsa Competizioneを動作させる為に必要なPC性能
Assetto Corsa【推奨要件】 | Assetto Corsa Competizione【推奨要件】 | |
発売時期 | 2014 | 2019 |
CPU性能 | AMD Six-Core CPU, Intel Quad-Core CPU | Intel Core i5-8600K or AMD Ryzen 5 2600X |
メモリ量 | 6GB RAM | 16GB RAM |
グラフィック性能 | DirectX 11 (e.g. AMD Radeon 290x, Nvidia GeForce GTX 970) | GeForce GTX 1070 8 GB, Radeon RX 580 8GB |
必要ストレージ量 | 30GB | 50GB |
※Steamに記載されている推奨要件ベースに記載しています。
CPU
3Dゲーム / シミュレーターだから「グラフィックカードだけ性能の良い物を使えば良いのでは??」と思われるかもしれませんが、
CPUは3Dゲーム / シミュレーターを管理するOS(Windows)でも使用されますし、3Dゲーム / シミュレーター動作時にも使用され、
一時データを保存するメモリ管理にも使用される重要なパーツの一つです。
求められるスペックはAssetto Corsa Competizioneの方が高いので、
- IntelのCPUであればCore i5-8600K
- AMDのCPUであればRyzen5 2600X
と同等かそれ以上のスペックのCPUを選ぶ事になります。
が「単純に同じCPUを!」とは行きません、Intel Core i5-8600Kは第8世代(2017年発売)のCPUになり、もう既に店舗やネットで新品のCore i5-8600Kを購入するのは難しい状況です。
AMDのRyzen5 2600Xも同じく2018年に発売されたCPUで、既に店舗やネット新品を購入する事は難しい状況です。
2021年現在で世代が新しいCPUを当てはめると、以下の様になるかと思います
CPUメーカー | 旧 | 新 |
Intel | Core-i5 8600K | Core i5-11600K |
AMD | Ryzen5 2600X | Ryzen 5600X |
IntelとAMD、どちらのCPUメーカーを選択すれば良いのか?
拘りが無い場合は「どちらのCPUメーカーでも良いかと思います。価格で選択するのも一つの選び方になります。」
グラフィックカード(GPU)
同じく、求められるスペックはAssetto Corsa Competizioneの方が高いので、
- NVIDIAであればGeForce GTX1070 8GB以上
- RadeonであればRX580 8GB以上
と同等かそれ以上のスペックのグラフィックカードが必要になります。
CPUと同じく「全く同じグラフィックカードを!」という訳には行かず、NVIDIAのGeForce GTX1070の発売された時期は2016年、Radeon RX580は2017年と数年経っており、店舗やネットでも新品を探すのは難しい状況です。
※グラフィックの選定は難しい為、全く同等性能という訳には行かない為予算によって変わります。
※2021年現在、グラフィックカード価格が高騰しており、旧と新の価格差がかなり開いている状態です。又、市場にも出回り難い状況となっています。
GPUメーカー | 旧 | 新 |
NVIDIA | GeForce GTX1070 8GB | RTX3060以上 |
Radeon | RX580 8GB | Radeon6700XT以上 |
NVIDIAとRadeon、どちらのベンダーを選択すれば良いのか?
拘りが無い場合は「どちらのグラフィックカードベンダーでも良いかと思います。価格で選択するのも一つの選び方になります。」
CPUと異なり、グラフィックカードは様々なメーカーがオリジナルファンを搭載した製品を出していますので、デザインが異なるグラフィックカードが多々ありますので好みのデザインや、気に入ったデザインのグラフィックカードを選ぶと愛着も沸きますのでオススメな選び方かと思います!
後は、「予算」との都合で、動作要件と同等かそれ以上のグラフィックカードであれば問題ありません。
メモリ
同じく、求められるスペックはAssetto Corsa Competizioneの方が高いので、
- 16GBかそれ以上
のメモリが必要になります。
因みに、筆者は「16GB」で問題無く稼働出来ています!参考情報として、3Dゲーム / シミュレーター以外でも、
- データベースを使用したプログラミング開発
- 動画編集
- 写真編集
など、様々な用途で使用しておりますが、問題無く使用出来ています。
予算に余裕があったり、「動画編集」も沢山行う予定があるユーザーの場合は32GBでも良いかもしれません!
電源
電源と聞くと地味なパーツに聞こえますが、滅茶苦茶大事なパーツの一つになります!が「選定が一番難しいパーツ」でもあります。
筆者もBTO PCや自作PCを始めた最初は蔑ろにしていた、適当に思っていたパーツの一つでした。
「大体この容量で足りるだろ」くらいに思っていたのですが当初、実際起こった不具合として、
某BTO PCでFPSゲームをしていたら、急にPCが落ちる
といった事がありました、これは搭載されていた電源の容量若しくは電圧が足りていなかったからと推測しています。
電源を選ぶ上で重視する点は、
- 各パーツの消費電力(CPU、グラフィックカードなど)の合計ワット数を知っておく
- 各パーツの合計消費電力以上のワット数の電源に絞る
- グラフィックカードの推奨電源を知る
- 電源の12Vラインのワット数を知る
- 電源の変換効率を知る
ザックリとは以上になりますが、上記は最低限知っておいた方が良い情報になります。
「ワット数だけ見て購入しても、12Vラインが弱かったり、変換効率が悪いとPCが落ちたりする原因となる」ので注意が必要なパーツです!
上記で取り上げた、グラフィックカードのNVIDIA GeForce RTX3060とRadeon 6700XTの推奨電源値を以下に掲載します。
NVIDIA RTX3060、RTX3060ti、RTX3070、RTX3080の場合の推奨電源
RTX3060 | RTX3060ti | RTX3070 | RTX3080 | |
TDP | 170W | 200W | 220W | 320W |
推奨電源 | 550W | 600W | 650W | 750W |
Radeon6700XTの場合の推奨電源
TDPは230W、推奨電源は650Wとなっています。
オススメの電源の選び方
筆者が使用している自作PC構成は以下に掲載しますが、「将来、グラフィックカードやCPUを交換するかも?」という可能性が少しでもある場合、「ギリギリな容量の電源では無く、性能に余裕を持った電源を選ぶ」という選定の仕方がオススメです。
ギリギリ性能の電源ですと、電源がフル稼働状態に近くなり熱も持つ為、あまり良く無い状態になります。
CPU | Intel Core i9 9900K |
マザーボード | ASUS ROG Maximus XI GENE |
CPUファン | ASUS ROG SYUJIN 240 |
グラフィックカード | ZOTAC RTX3070 AMP Holo |
メモリ | 16GM |
電源 | ASUS ROG Thor 850W |
ディスク / 容量 | SSD 512GB*2(RAID0)/ 計1TB(RAID0) |
ここまで費用を掛ける必要はありません!筆者は弄る、交換が趣味なので。笑
参考程度にどうぞ!
冷却
冷却も大事な部分になります!
上記で挙げました、以下のPCパーツは「PCケースの中に入っている」状態になります。
- CPU
- グラフィックカード
- メモリ
- 電源
このPCパーツは「稼働中は常に熱を出している状態です」ので「PCケースの中に溜まっている廃熱をPCケース外に飛ばす必要があります」
3Dゲーム / レースシミュレーターなどPCに負荷の掛かる処理中は特に廃熱が凄いの為、冷却を蔑ろにすると各パーツの許容温度を超えるといった可能性もあり、
- PCが途中で落ちる
- PCパーツが破損する
といった可能性もあります。
以下パーツの冷却方法ですが、
CPU | 空冷 or 簡易水冷などのCPUクーラーで冷やす |
マザーボード | 12CM以上のファンで風の流れを作る |
メモリ | 12CM以上のファンで風の流れを作る |
グラフィックカード | グラフィックカードに付いているファンでしっかり冷やす |
という感じにしっかり各PCパーツを冷やしてあげる必要があります。
既にBTO PCや自作PCを持っているけど要件を満たしていない場合
※既存PCを基にパーツだけ入れ替える方法で記載しています。
既にBTO PCを持っていたり、自作PC(友人に自作して貰ったけど、詳しくないんだよな、、、)を持っているけど、要件を満たしていない場合ですが、以下をチェックしてみて下さい。
- CPUの型番 / コードネームを調べ、要件を満たしているか比較する
- グラフィックカードが搭載されているか調べ、搭載している場合は要件を満たしているか確認する
- 電源のメーカー、ワット数、12Vラインを調べ、要件を満たしているか確認する
- メモリ容量を調べ、要件を満たしているか確認する
最低、上記を調べる必要があります。
1.CPUの型番を調べる
Windowsであれば「コントロールパネル」→「システム」でCPUの型番 / コートネームが表示されるかと思います。
調べたCPUが要件未満であれば、買い替え対象は、
- マザーボード
- CPU
- CPUクーラー ※既存のCPUクーラーが使用出来ない場合
となります。
2.グラフィックカードが搭載されているか調べる、搭載されている場合は要件を満たしているか確認
搭載されていない場合は「新たに購入」する必要があり、搭載されていても要件を満たしていない場合も「新たに購入」する必要があります。
この場合の購入、買い替え対象は、
- グラフィックカード
- 電源 ※購入グラフィックカードの推奨電源要件を満たしていない場合
- PCケース ※既存PCケースにグラフィックカードが搭載出来ない大きさの場合
3.電源のメーカー、ワット数、12Vラインを調べ、要件を満たしているか確認
搭載されている電源のメーカー、ワット数、12Vラインを調べて要件を満たしていない場合は「新たに購入」する必要があります。
4.メモリ容量を調べ、要件を満たしているか確認
搭載されているメモリ容量を調べて要件を満たしていない場合は「同メモリを要件を満たす容量分購入 or 新たに新品で要件以上のメモリを購入」する必要があります。
※既存のPCケースに入る規格、PCパーツを選定する必要があります。
まとめ
如何だったでしょうか?難しかったですか??
PCで初めてゲーム / シミュレーターをしようとする方にとっては、PC選定が一番難しいポイントかもしれません。
最初、私自身もそうでした。DOS / V Powerレポートという雑誌を購入してグラフィックだけ調べた記憶があります。笑
でもそうじゃないんですよね、全てのパーツや性能のバランスが良くないと電源性能が足りず途中で落ちたり、ゲーム / シミュレーター中にカクツキが酷かったりと安定して楽しめなくなってしまいます。
高額なPCですので、焦らずゆっくりと納得した上で気に入ったマシンを手にして、シミュレーターを楽しんで貰うお手伝いが出来れと思い、このコンテンツを用意しました。
やはりイチから自作して組むのはちょっと、、、という場合ですが、以下に
「Assetto Corsaで最初に遊びたいけど、後からAssetto Corsa Competizioneも遊んでみたい!」
の要件を満たす、BTO PCのリンクを貼っておきますので参考にしてみて下さい!
ツクモ eX.computer G-GEAR GA7J-F210/T
ZEFT Gaming PC G20Q / Intel Core i7-11700K / RTX3060
ZEFT Gaming PC R30N / AMD Ryzen 7 5800X / RTX3070
