FEATURES - インタビュー2021.03.26

大阪・日本橋にある創業20年以上の老舗PCショップ「PCワンズ」さんをインタビュー

なぜPCワンズさんをインタビュー?

私も実は10年程前からイチ自作ユーザーとして利用させて貰っていたりします。
長い間、PCショップを日本橋でされていて「創業当時の自作市場はどういう感じだったんだろう?」などや、 「日本橋の自作市場はどういう感じなんだろう?」などなど気になる事が多々出て来てしまい、機会を頂く事が出来ましたのでインタビューさせて頂きました!

今回インタビューさせて頂いた、前畑店長【右】、稲田さん【左】

創業当時のPCワンズ

- 創業から何年目になりますでしょうか? 稲田さん - 1999年ですので22年目になります。 前畑店長 - 当時は現在の場所では無くオタロード通りにありました。 稲田さん - オタロード通りに店舗を構えていた際は凄い狭い店で入口が約2Mあるか無いか、奥行きが10Mも無い様な店で。 前畑店長 - 1階、2階が店舗になっていて。 稲田さん - 入口から直ぐの所に階段があり、その階段の下がレジになっていました。 2階に少し中古商品があり、その上が倉庫になっていてエレベーターも無く階段も狭かったのでケースやモニターを運ぶ際は凄く大変だった記憶があります。笑 納品場所も無く運送会社の方は商品を店舗前に置いて行くので、早く商品を倉庫へ運ばないと行けない為、その人一人が通れる階段を行ったりきたりで。笑 MH - 夏とか大変そうですね。笑 更に奥行き10Mだと店舗として見ると滅茶苦茶狭そうです。 前畑店長 - 私、当時お客さんだったんですが、狭いし入るのやめようかなって。笑 全員 - 爆笑 稲田さん - 弊社代表取締役の鈴木がソフマップの元副社長で、私は学生時代にソフマップでアルバイトをしていたので代表鈴木とも当時話した事もあり鈴木の事は知っていました。 その後に鈴木が独立、PCワンズを創業し、オタロードから堺筋側の方へ店舗を移転すると聞いて「私、余ってます。笑」とアピールして、現在に至っています。笑

創業当時の日本橋自作市場

- 当時のCPUやOSってどういう物でしたか? 前畑店長 - 当時はペンティアム?OSはWindows98とかMeとか? 稲田さん - 当時、お客として通っていた時はデュアルセレロンの時代でしたね。 MH - うわぁ私、全然知らない時代です。笑 稲田さん - デュアルプロセッサ用のマザーボードに挿せば、デュアルとして動作したんです。 前畑店長 - その時はスロットに挿せば良かったんじゃ? 稲田さん - ソケットにCPUをそのまま挿してもデュアルとして動作しなかったんです、変換基盤を使用しないと動作しなかったんです。 MH - へぇぇぇ!(驚き) 稲田さん - その時に使用する変換基盤はエービットというメーカーの基盤を使うか、ソルテックの基盤を使えばセレロンがデュアルプロセッサとして動作しました。 そういう珍しいパーツを置いていたのが当時の日本橋の自作市場と言った所でしょうか。 MH - 今より全然マニアックですね。笑 玄人しか寄り付かない業界というか。笑 前畑店長 - 弊社は当時から初期不良交換2週間と相性保証を行っていましたが、一般的な店舗はパーツは自己責任で購入するもので、保証はほとんどありませんでした。 稲田さん - 弊社が相性保証をする様になってから他も最近になってする様になった印象です。 前畑店長 - 当時はもう無い物が当たり前というか。

創業当時のパーツ事情

前畑店長 - 当時結構バルクが多く、説明書も特に無い様な。 MH - へぇぇぇ!(驚き) 前畑店長 - マザーボードの種類も現在の様な1メーカーが幾つも出すというのでは無く、1種類あってLANが付いている付いていない、サウンドが付いている付いていないみたいな。 稲田さん - 創業当時のマザーはLANが付いているマザーボードは無かったですね。 MH - えっじゃあ、完全にオフライン状態だったんですね!? 稲田さん - 別でLANカードを買わないとLANが使えない状態ですね。 前畑店長 - サウンドもサウンドブラスターを別で買わないといけない。 MH - 当時からサウンドブラスターってあったんですね!? 稲田さん - ありましたよー!! 前畑店長 - それこそISAバスの。 稲田さん - 今のPCI-Eでは無いPCIが出てきましたが当時はISAバスですね、グラフィックカードはVLバスですね。 MH - うわっ!!もう分からない領域です!!笑 全員 - 爆笑 稲田さん - 当時、PCIはもう既にありました。 前畑店長 - Intelはペンティアムとセレロンはもうあって、AMDはK-6でしたっけ? 稲田さん - いや、まだK-5が終わって無かった様な? 前畑店長 - まだIntel互換CPU屋さんの時代でしたかね。 MH - うわぁ、自宅に帰ったら調べます。笑

創業当時のオーバークロック事情

前畑店長 - 当時はオーバークロックをすると、やれる事が増える時代です。 MH - えっ!?どういう事ですか? 前畑店長 - 133Mhzで動くCPUが200Mhzオーバーで動く様な。笑 MH - ええっ!凄いですね! 前畑店長 - 上げ幅が凄いんです。笑 稲田さん - セレロンデュアルを300Mhzを450Mhzで動かすのが当たり前な時代ですね。 前畑店長 - まさかのクロックが1.5倍になるという。笑 それでDVDが再生出来る様になるという。笑 MH - 1.5倍って今じゃ考えられないですよね!? 前畑店長 - 当時、BIOSで設定が変えれないので、ジャンパーピンで変える感じです。 MH - 完全に玄人ですね。笑 自身はその時代はノータッチです。笑 稲田さん - 詳しく無いと出来ないし、サポートも良く無かった時代なので覚悟の上で皆買うという時代でした。 前畑店長 - そういう所で弊社は当時からサポートに力を入れており、代表鈴木も「お客様が少しでも安心して購入出来る様にしたい」という所で、今もその考えを大事にしています。

燃えるCPUもあったよね。笑

稲田さん - 今と違って取り付ける場所を間違うと燃えました。 前畑店長 - 燃えるCPUもあったよね。笑 MH - それは聞いた事があります。笑 稲田さん - 当時、AMD AthlonはCPUクーラーを取り付けたにも関わらず臭い匂いがしていました。笑 現在は、本当にそういう不具合はなくなったと思います。 MH - 昔は配線間違うだけでショートしたりしましたもんね。 稲田さん - 今はパーツの精度もこの20年で大分良くなりましたね。 MH - 今は、配線間違うと安全機能が働いてか電源自体入らなかったりしますよね。 稲田さん - なので、目の前でマザーボードから炎が出た事は私にとって衝撃的でした。笑 前畑店長 - 当時、サポートにAthlonを持って来られた際は匂いを嗅ぐみたいな。笑 MH - 今じゃ考えられないですね。笑 今はCPUも温度センサーが付いているので。

深夜販売をやらせて欲しい!

- 創業から今までに至って、特に印象深かった出来事などは? 稲田さん - 創業から数年後、新製品の発売時に私含め数人が「深夜営業やっていいですか?」と代表鈴木に尋ねると「勝手にせえや!」という事で「やった!許可を得たぞ」と。笑
 という事で深夜営業を初めてしました。 他のお店はどこもやっていない状況且つ、告知もやっていない状況でもお客さんは来ました。笑
お客さんから「ワンズさんやってるかなと見に来ました」と。夜10時からお店を開けて。
前畑店長 - えっ何売ったん? 全員 - 爆笑 稲田さん - OSだったかな? 前畑店長 - Me?XP? 稲田さん - 忘れました。笑 いや、でも代表鈴木から勝手にやっていいよって言われてたので。笑
アメリカ時間の発売に合わせの販売を行っていたので、夜になるという。 そういうタイミングで日本橋で深夜販売を始めたのは恐らく弊社かと思います。笑
今は、こういう状況ですし中々難しいですが。。
MH - 夜間販売って今も結構遅い時間からやっていて大変そうですが。 前畑店長 - 朝から営業時間が変わらないのでその日はめっちゃ長いんですよ。笑
お客さんも盛りあっがってくれるのでやっていて楽しいですよ。笑
でも、終わった後は「長いな1日」って。笑
今はこういう状況ですので人が集まるのは難しいですが、またお客さんを集めてイベントが出来る様な状況になればなぁと。

印象的だったパーツ

前畑店長 - Coreシリーズが出た時ですかね、一気に性能が上がったので。Pentium4が爆熱でしたので、Core2になり温度も低くなって。 MH - クロックは下がっているのに、Pentium4の性能より2倍近く上がったみたいな。 稲田さん - Core時代はノートPCも消費電力が下がり、薄くなった印象です。Pentium4時代はノートPCも大分ぶ厚かったですし。笑 MH - Coreシリーズが一番オーバークロックで遊んでた時期でした。笑 稲田さん - お客さんがオーバークロック耐性の絡みで「CPUのコードを見せて欲しい」。コスタリカ製が良いからみたいな。笑 MH - 8000番台はマレーシア製が良いみたいありましたね。笑 前畑店長 - でもそれは20年前からあって、お客さんもバルクCPUを見て「どこ産だからいらんわ」みたいのはありましたよ。笑 MH - 昔はお客さんが自分で調べて店員さんに何も聞かずに勝手に買って行くみたいな感じでしたよね。
今はお客さんの間口も広がって店員側の知識、提案能力も求められる様になって来ている様な。
前畑店長 - それはお客さん側も「自作をやってみよう」という所で、良い事ではありますよね。

私が所持しているCore世代のCore 2 QUADのQ6600 CPU。
「MALAY」と刻印がある為、マレーシア産?かと思われる。
当時、ペルチェを用いたCPUクーラーもあり、CPUクーラー自体を弄って起動時は一桁台の温度などにして遊んでいました。

今の自作PC・BTO市場

MH - 今はBTOが凄いですよね。自作するのと変わらないレベルで出して来ているというか。 自作PCの醍醐味は「自分で好きなブランド・パーツを選んで自分仕様に組んで楽しむ」という所と思うので、もっと盛り上がって欲しいなと! 前畑店長 - 自作パーツの良い部分は、一つ一つ良い品質のパーツを選べますからね。 後は、1回作ってしまえば割とコスト掛からないと思います。
柔軟性も確保出来て「グラフィックカードを変える」、「ハードディスクを追加出来たり」と一部だけの交換も出来ますしね。
MH - 自作市場は狭くなったとは言われてますけど、ネットを見ていると意外にまだ結構いるという印象です。 前畑店長 - 自作を昔から続けている人達は高齢化してますよね。若い人たちはそこまでな印象です。 MH - 確かに、自身もそうです。笑
今、若い層はEスポーツで盛り上がっているので、入口はBTOでも良いと思いますが後々拘ってパーツを自分仕様に改装したりなど出来る様になれば良いですよね。
前畑店長 - それが現状と今後の課題なんですよね。どうやって若い層に興味を持って貰える様になるかと。
Eスポーツのチームサポートもしていましたが、そのチームが使っているデバイスに興味は持って貰える様になりましたが只、パーツまでには目がいかないというか。 MH - ネットやSNSを見ていると今、若手層はPCもインテリアとして見ている風潮がある様な印象です。PCセットアップというジャンルというか。 ゲーミングPCの様に色んな光るPCでは無く、部屋全体の雰囲気に合わせて白やシルバー基調でケース、パーツも白やシルバーで纏めてオシャレに見せるPC層も増えてきている印象です。 私もやっていますが、敢えてマザーボードもオシャレに飾ったり、グラフィックカードを飾ったりなど。 稲田さん - 昔はアイボリーのPCケースが殆どで、恐らく日本の住宅事情(白壁)に合わせていたんでしょうね。途中から黒が増え、今はサイドがガラスになってなど。

今後の展開

- 今後の展開や推して行きたい特徴など 前畑店長 - 古き良きではありませんが、秋葉原の方でもこれだけPCパーツを取り扱っているお店も少なくなっているので、このままずっと続けたいですよね。 後はBTOですね。弊社でもZESTというブランドを取り扱っておりますがまだまだですので推して行きたいと思っています。 MH - 自身、元々BTOが苦手と言いますか。。フルカスタマイズでは無いので、パーツ構成(メーカー、製品)が固まっていて痒い所に手が届かないというか。

前畑店長 - ZESTはBTOなのでそれとは別にお客様にすべてのパーツ構成を選んでいただき組立させていただくフルカスタマイズPCは定着してきています。 ZESTは弊社BTOブランドの一つで、お客様の業種に合わせ3種類のBTOブランドを軸として展開しております。 弊社BTOは「ゲーミング向けのZEST」、「クリエイター向けのNEXSTER」、「ビジネス向けのFAST」をご用意しております。 これらはBTOですので決まった構成+αのカスタマイズとなります。これらはまだまだ浸透しておりません。

前畑店長 -これとは別にフルでお客様に選んでいただく「フルカスタマイズPC」はワンズならではでかなり認知されている状態です。

MH - イチからパーツを選べる&安価な工賃でセットアップも行って貰えるフルカスタマイズPCのサービスは強みですね!オリジナルPCなのでお客さんも愛着が沸くでしょうし!
BTOサービスの方は「いちからパーツを選ぶのはまだ少し難しい。。」といった、でも後々自作にチャレンジしてみたい、パーツだけ入れ替えてみたいという自作PCの最初のステップアップとしては良いサービスですね! BTOですと構成が出来上がったPCかと思いますが、サイドカバーを外せばPCの構成や構造も分かりますし勉強にもなりますよね。私も思い返すと最初の最初はBTO PCで、そこから自身で少しずつ弄る様になり完全に自作にハマりました。笑
MH - 一つ気になっているのですが、ライトアップPCって今はどういう感じですか?人気はある状態でしょうか? 前畑店長 - フルカスタマイズPCで「光らなくて良い」というお客さんもいらっしゃいますよ。 稲田さん - どちらのお客様もいらっしゃいますよ。「光らせて下さい」というお客様もいますし、寝る際に「邪魔なので光らせないで下さい」というお客様もいますし。笑 でも、光らせて欲しいという注文は多いです。サイトや雑誌で特集が組まれた場合、反響として良い影響になっているのかなとは思います。 MH - 今はサイトやSNSで海外のカッコイイPCの写真や情報が直ぐ得れますしね。 前畑店長 - MODだったりですね。 稲田さん - 数年前にお客さんからフルカスタマイズの注文があり使用するケース、マザーボード、グラフィックカードの指定がありました。 が、採寸するとケースにグラフィックカードが入らない。笑 お客様にケースかグラフィックカードの変更をお願いしますと連絡すると、お客様から「このサイトの写真ではグラフィックカードは入っているんですが」と。 只、そのサイトを確認するとサイドパネルが閉じられている写真が一枚も無かったんですよね。笑 全員 - 笑 稲田さん - サイドパネルを閉じないのであれば使えますが、でも発送出来ないみたいな。笑 全員 - 笑 MH - サイドパネルが閉じなくても、それも自作の一つの楽しみですよね!只、自由度や情報量が増えそうなのでユーザーさんの求めるニーズで、今後その様な事は増えそうですね。笑

今はグラフィックカードが・・・

- 今、グラフィックカードが高騰してますよね? 前畑店長 - そうなんです、めちゃめちゃ高いですよね。 MH - 1万円から2万円台のグラフィックカードがほぼほぼ無くなって、その辺りの性能のグラフィックカードが4万円以上するという状態で、新規のお客さんも買い難い状況なのかなと? ミドルレンジが無く、ローエンドかアッパーしか無いみたいな。 前畑店長 - 昔は2、3万円でも良かったんですけどね。今は30万円台のグラフィックカードもありますからね。笑 MH - 今は当時2、3万円のモデルゾーンが6万円ゾーンですよね。30万円ってタイタンってこれくらいじゃなかったかなと。笑 全員 - 笑 前畑店長 - この半年で値上がりしたのもありますが、それにしては高いですよね。 - マイニング需要とコロナでグラフィックカードが無い状況で、PCが組み難い時期ですがどの様な状況でしょうか? 前畑店長 - 初めてグラフィックカードを置いているショーケースがガラガラになりました。 MH - 私もそういう状況は初めて見たかもしれません。 前畑店長 - ですので、グラフィックが無かったので一式で組むという事は難しかったですね。 - 組みたい方は内蔵GPUで組む状況だったんでしょうか? 稲田さん - INTELを選択すれば、大体内蔵GPUが付いているので組めますが、ゲームは・・・ MH - そうなると、販売の機会損失が大きそうですね。。。お客さんは欲しいし、お店側は売りたいけど物が無い状況というか。。しかも高い。笑 前畑店長 - 仰る通りで、ボリュームゾーンは2、3万円のグラフィックカードで5、6万円じゃないだろうと。笑 MH - 今は某ゲーム機の性能も上がっていて、中々PCゲームも厳しい状況ですよね。更にその中でグラフィックカードが値上がりしているので。

さいごに

コロナ前は定期的にジャンケン大会が開催されており、 ジャンケンに勝つとハイエンドなCPUやグラフィックカード、マザーボードが格安で手に入るイベントがありましたが人が集まってしまう為、 残念ながら今は行っていないそうです。実は私も参加した事があります。笑
2Fに人がパンパンに溢れ、大変盛り上げっていました!また無事再開出来る状況になればなと!

今回お忙しい中、お二人にインタビューさせて頂きましたが気さくでPC、PCパーツに関わる全般が本当に好きなんだなと感じました。
事前のマーケット調査や、お話を伺った中での大きな問題点として、PCパーツの高騰問題や高価格な部分が自作PCへ手が出難い部分の原因の一つになっている状況かと思いました。 自作市場全体の問題と言える状況かと思いますので早く「パーツが少しでも安価に買い易く」、「パーツの手の入り易さ」が戻らない限りは中々厳しい状況と言えそうです。

PCワンズ - 店舗紹介

PCワンズ

住所
〒556-0005
大阪府大阪市浪速区日本橋4丁目12-1
営業時間
AM11:30~PM7:30
TEL
(06)6630-4444
公式サイト
https://www.1-s.jp/
公式SNS

大阪の日本橋で創業20年以上に渡りPC、PCパーツを販売している自作PCショップです。
CPU、マザーボード、グラフィックカード、メモリ、ケースなど自作PCのパーツを数多く取り扱っており、
BTO PCやフルカスタマイズ可能なサービスも行っている。
Eスポーツなどのゲーミング系デバイスにも力を入れており、2Fには専用コーナー有。
ゲーミング系マウス、キーボード、マウスパッド、ゲーミングチェア、PCワンズでしか展示していないモニターブランドも有。
定期的にYoutubeにて新製品を紹介されているので、気になる方は是非!